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第7話「おてがみ」アフレコ終了後
ゆき役 水瀬いのりさんインタビュー公開!

――第7話では、主にゆきとめぐねえとの絆をめぐって、物語が展開しましたね。

水瀬
これまでゆきのなかには、ずっとめぐねえという存在がいて、彼女の日常のなかには、めぐねえも一緒にいたんですよね。そういう意味で、今回の第7話はある意味、ゆきとめぐねえのお別れというか。「わたしひとりでも頑張る」という、決意表明みたいなところがあったのかな、と思います。事件をきっかけにして、ゆきは――幼児退行っていうんですかね? 物事の考え方にしても少し子供っぽくなっていたわけですけど、彼女の心のなかにはちゃんと、年齢相応のゆきがいたということにも感動したし、そんな彼女の背中を押してあげたいな、と思いました。

――ある意味、すでにめぐねえが存在していないということを、ゆきが受け止めるエピソードでもありましたね。

水瀬
とはいえ、ほかの学園生活部のみんな――くるみちゃんやみーくん、りーさんと肩を寄せ合って生きていくなかにも、やっぱりめぐねえもいるわけで、存在のすべてを否定するわけではなくて……。ただ、「めぐねえがいない」という現実が、ゆきのなかで確信になったというか。飲み込んだんだろうなと思うんです。そういう意味で、ゆきは成長したんだなと思いました。


――それはやっぱり、ゆきを演じる水瀬さんのなかでも変化がありましたか?

水瀬
そうですね、これまでは明るく元気に、楽しいシーンが多くて、誰かのために泣くことはあっても、自分の感情で泣くことはなかったんです。でも今回はやっぱり、「めぐねえと自分」というところで涙を流していて……。きっとゆきのなかでは、大きな枷みたいなものが外れたんじゃないかな、と。ひとりの女の子として歩き出すことができるんじゃなかな? というのは感じました。

――ゆきにとってめぐねえは、どんな存在だったと思いますか? お姉さんのようでもあり、友達のようでもあり……という関係だったと思うのですが。

水瀬
うーん、姉のようでも友達のようでもあり、あるいはもうひとりの自分のようでもあり……。客観的に見たときの自分、というんですかね。めぐねえにもゆきと同様、周りを笑顔でほんわかと包むようなところがあって、そういう近さを――頭で考えるんじゃなくて、本能で感じていたのかな、とは思います。わたし自身も「この人とは絶対仲良くなれる」と思えた人とは、すごく打ち解けることができるんですけど、そういうフィーリングみたいのものが、ゆきとめぐねえの間にもあったんだろうな、と。だからこそめぐねえもゆきに対して、あれだけ優しく接してくれたんだろうし、それはきっと「友達」という言葉では表せないような絆だったんだろう、と思います。なんでしょうね、「家族」のようであり、でも「家族」じゃない、みたいな。そういう関係なのかな、と。


――水瀬さん自身は、人見知りをする方なんでしょうか?

水瀬
うーん、誰でも、最初は緊張するものだと思うんですけど……。ただ自分から話題を提供できないタイプではありますね(笑)。自分から「ねえねえ、みんな来て!」ってなかなか言えない。だから振り返ると、仲のいい人はわたしのことを誘ってくれたり、引っ張ってくれる人が多いですね。

――そういう意味では、ちょっとゆきと似てるところがあるのかもしれないですね。

水瀬
そうですね。結構流されやすいし、ふわっとしているので(笑)。よくも悪くもマイペースというか、たまに自分のマイペース加減が原因で、痛い目に会ったりします(笑)。


――あと、そうしたゆきの変化にともなって、周りのキャラクターたちも少しずつ変わり始めていますよね。特に、みーくんの変化が大きいのかなと思うのですが……。

水瀬
みーくんは変わりましたね。しかも彼女を変えた一番の要因は、たぶんゆきなんです。ゆき自身は気づいていないですけど――ずっとあのペースで「みーくん、かわいい」ってデレデレしてるだけなんですけど、知らないうちにみーくんを振り向かせていたんですよね。それはゆきの才能のひとつなのかな、と思います。あともうひとつ感じたのは、そんなゆきたちを支えるために頑張っているお姉さんチーム――くるみちゃんとかりーさんは、学年は一緒なんですけど、やっぱり「お姉さん」という感じがします(笑)――に、これまでのようにゆきが甘える場面がほとんどなかったんです。もしかするとAパートで「わたし、頑張る」と決意した結果なのか、それとも「わたしも先輩だから、みーくんの前ではしっかりしなきゃ」と思ったのか。本当の理由はゆきにしかわからないんですけど。そこは印象的でした。


――なるほど。そんなゆきの決意は、最後の手紙の場面につながっていくと思うんですが……。水瀬さん自身は最近、誰かに手紙を書いたことはありますか?

水瀬
うーん、手紙はないかもしれないですね……。あっ、でも好きなアーティストのライブの申し込みハガキを書きました! 「絶対に行きたいです!」みたいな。

――あはは(笑)。

水瀬
あとは母の日とか父の日に、ちょっとしたメッセージカードを書いたくらいですかね。……ファンの方からいただくお手紙とかを見ていると、みなさん字がキレイだなと思います。わたし、あまり字が上手いって言われたことがないので……。

――いやいや、シャベルのサインとか拝見しても、キレイな字でしたよ(笑)。

水瀬
そうですか?(笑) でもときどき無性に、紙にボールペンで字を書きたくなるときがありますよね。あれはなんだろう? やっぱり、文字を書きたいという本能があるんですかね。

水瀬
うーん……。やっぱり友達かな? もう5年くらいの付き合いで、最近もしょっちゅう顔を合わせてるんですけど、じつはその子にわたしの職業を伝えてなくて。

――えっ、水瀬さんが声優をやっていることを知らないんですか?

水瀬
そうなんです。しかもアニメを観ない人なので、伝えたところで……みたいな気持ちがあって(笑)。なんとなく言いそびれてるんですよね。ただ、遊びの予定を立てるときに土日がイベントだったりすると「あー、ごめん、仕事があるんだ」とか。そういうことがあると、「これは言った方が楽なんじゃないか」と思ったりします(笑)。

――ああ、べつに隠してるわけじゃないんだけど、言いそびれてしまったという。

水瀬
そうです、そうです。口で直接言うのはあれだけど、手紙に書いて「ちょっとこれ読んで」って渡せば、「えーっ、そういうことだったの」と言ってもらえるかな、って。

――たしかに手紙は、そういうふうに使えそうですね。では最後に、次回以降、楽しみにしているのは?

水瀬
やっぱり《かれら》が気になりますね。これまでは接触しているようで、正面から向き合う場面はそれほどなかったんですけど、今後は《かれら》と直接、顔をあわせる場面もあるのかな、と思っています。しかも学校にいる《かれら》は、ショッピングモールにいた人たちとは違って、元友人だったりするわけで……。出会ったときには、知りたくなかったことも知ってしまうんじゃないか。そのとき、学園生活部の4人と1匹はどうなってしまうのかな、と。そこが個人的には一番気になっています。

――物語も、ここからいよいよ佳境に入っていく感じですね。

水瀬
あとめぐねえの件もそうでしたけど、『がっこうぐらし!』は、大量に伏線が敷かれている作品なんですよ。それがどういうふうに回収されていくのか? 「あのときのゆきの行動は、こういう理由だったのか!」みたいな、あとから明らかになることがいっぱいあって。今はまだピースが少しずつ集まっている状態ですけど、パズルが完成したときにいったい、どんな風景が見えてくるのか、とても楽しみにしています。

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